主要なオリーブオイル生産国であるスペインやイタリアでは、異常気象や病害虫の影響でオリーブの収穫量が大幅に減少しました。
このため、オリーブオイルの供給が不足し、日本でも価格が高騰しています。
有名どころだとBOSCOのオリーブオイルは、去年の価格と比較しておよそ1.6~1.8倍上昇。
時期が悪いと456g1本1,000円することも。
ということで、この記事は一般的なスーパーでも販売されている安いオリーブオイルの選び方。
そして、安いオリーブオイルを使って料理を美味しく作る方法について、プロのシェフの動画と筆者のライザーの見解を交えて紹介していきます。
・安いオリーブオイルが怖くて買えない
・オリーブオイルの選び方が分からない
・安いオリーブオイルを使って料理を美味しく仕上げたい
といった方は、良かったら参考にしてみてください。
【価格高騰】安いオリーブオイルの選び方・調理方法
安いオリーブオイルと聞くと、品質が悪かったり、美味しくなかったり・・・
結構ネガティブな感情を持っている方も多いです。
まぁ実際その感情が間違っているとまでは言いませんが、それでも何とか美味しくする方法を紹介していきます。
加熱調理用の安いオリーブオイルは何でもOK
料理に使うオリーブオイルは、エクストラバージンオリーブオイルでなくても問題ありません。
例えば、ピュアオリーブオイルとか。
ピュアオリーブオイルは、精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルをブレンドしたオリーブオイル。
一応ちゃんとしたオリーブオイルではあるので、品質は申し分ないでしょう。
プロのシェフもピュアオリーブオイルや、ひまわり油を使っています▼
ただ、値段は安価なエクストラバージンと同じくらいなので、現時点だと選択肢としてはちょっと弱め。
となると、価格の安さだけを考慮するなら、最悪「オリーブオイルを使わない」という選択肢も考えておくと良いかもしれません。
例えば、同じ植物由来のひまわり油とか、オリーブオイルと他の油を混ぜたオイルも使えなくはないです。
後、業務スーパーで売っているオリーブポマスオイルであれば「ギリ使えるかな?」と私は思っています。
あ、一応言っておくと、オリーブポマスオイルはオリーブオイルではありません。
あくまで、オリーブ“ポマス”オイル
オリーブポマスオイル(日本ではオリーブ搾り粕オイルと呼ばれます)は、ヴァージンオイルを搾った後の残りカスに残留している油分を、有機溶剤を使って抽出したオイル。
本物のオリーブオイルではないものの、オリーブポマスオイルも食用としてちゃんと認められていれば、料理に使っても全く問題ありません。
ちなみに、業務スーパーで売られていたオリーブポマスオイルの価格は2024年時点:916gで750円くらいとかなり良心的。
とはいえ、BOSCOなどの比較的安価なエクストラバージンオリーブオイルと比較すると、オリーブポマスオイルは味も風味もかなり落ちます。
実際に使ってみましたが、味も風味も全くと言って良いほどありませんでした。
ただ単に味のしない油をかけているような印象だったので、止めたほうが良いと思います。
オリーブポマスオイルを生食用として使うのはナンセンス。
オリーブポマスオイルは加熱用で使う分には問題なさそう。
健康目的なら他のオイルが混ぜってる製品は選ばない
オリーブオイルには遊離オイレン酸(一価不飽和脂肪酸の一種)が含まれています。
遊離オイレン酸は、悪玉コレステロール値を下げつつも善玉コレステロール値は下げません。
そのため、オリーブオイルは動脈硬化・高血圧・心疾患などの生活習慣病を予防、改善に有効です。
また、オリーブオイル特有の辛味や苦味といった味はポリフェノール由来。
ポリフェノールは酸化作用が強く活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用があり、遊離オイレン酸同様動脈硬化など生活習慣病の予防に役立ちます。
ちなみに、これら効果は比較的短時間で作用する反面、長期間効果は持続しないため、毎日こまめに摂取することが大切です。
1日のオリーブオイル摂取目安量は15g~30gくらいで、大量に摂取するのはカロリーの摂り過ぎになるので注意してください
ただし、低品質なオリーブオイルや、他の油とブレンドされたオリーブオイルでは効果がありません。
むしろ逆効果となってしまいます。
単純な話、オリーブオイルを普通の油を使って薄めているようなものですから。
オリーブオイル本来の効果は薄まっています。
しかも、ブレンドされているオイルによっては、トランス脂肪酸が含まれている場合もあります。
そのため、健康面を気にしているのであれば、純粋なオリーブオイルを使ったほうが良いでしょう。
特に「ピュアオリーブオイル」や「オリーブポマスオイル」は、低価格でありながら成分はエクストラバージンオリーブオイルと変わらないのでオススメです。
とにかく、健康に気をつけるなら、混ぜものが一切入っていない純粋なオリーブオイルを選ぶこと!
仕上げのオリーブオイルに香り高いオリーブオイルを使う
安いオリーブオイルを使って料理を美味しく仕上げたいなら、仕上げに香り高いオリーブオイルを使うのが1番!
まず、オリーブオイルは加熱すると、風味や味のほとんどが消し飛びます。
なので、火を止めた後、仕上げに香り高い高級オリーブオイルを回しかければ万事解決。
加熱用で使った安いオリーブオイルを上書きして、料理に高級感をもたらしてくれます。
ただ、香り高いオリーブオイルは基本的に高価で、基本的には3,000円オーバー。
人によっては手が出しづらいと考えるかもしれません。
とはいえ、1度に少量しか使わないので、1人暮らしで毎日料理する方でも3ヶ月程度は持つかと。
1回の料理で15ml使用する場合だと、約33回分は使えます
そう考えれば、決して悪くない投資だと私は考えています。
っていうか香り高いオリーブオイルをちょろっと使うだけでも、マジで料理が1ランクも2ランクも上がるので、絶対に買った方が良いです。
参考までに、個人的に1番オススメなのが「ICONO(アイコノ)」というエクストラバージンオリーブオイル。
異常気象の影響を受けていないチリ産のオリーブオイルを使っているせいか、去年と比較しても価格はほとんど上がっていません。
それでいて、オリーブオイルの中でもトップクラスに香り高く、フルーティ―で熟したオリーブならではのナッツのような香りと深みがありまろやか。
一回しするだけでも料理の印象がガラリと変わります。
特に、今まで高いオリーブオイルを使ったことが無い方であれば、その違いに驚愕するかもしれません。
安いオリーブオイルを上手く活用しよう!
ここまで、安いオリーブオイルの選び方とか、代用品とか、使い方について書いてきました。
個人的な見解としては、加熱調理用であれば、最悪オリーブオイルでなくてもギリ代用できるかな?と思います。
例えば、ひまわり油とかオリーブポマスオイルなどは、エクストラバージンオリーブオイルと比較してかなり安いです。
特に、オリーブポマスオイルは、一応オリーブから作られているので、イタリアンであれば違和感なく使えるかと。
ただ、風味がほぼ無いので、オリーブポマスオイルは、味の差が顕著に出る生食には適しません。
あくまで、安いオリーブオイルは加熱用として使うのがオススメ。
といった感じで、オリーブオイルの価格が高騰した時のために、安いオリーブオイルや代用品など検討すると良いかもしれません。
また、代用品であっても、使い方さえ間違えなければ美味しい料理に仕上がります。
安いオリーブオイルを使えば、多少家計の負担が軽くなると思うので、ぜひ試してみてください。