テフロンダイスとブロンズダイスの違いと使い分け

パスタの製法にはテフロンダイスとブロンズダイスの2種類が存在します。

それぞれの特徴は以下の通りです。

テフロンダイス:テフロン加工の型を用いる製法で、麺の表面がツルツルしている。オイルソースや冷製ソースなど、比較的軽めでさっぱりとしたソースに最適。

代表的なテフロンダイスのパスタ↓

ブロンズダイス:青銅製の型を用いる製法で、麺の表面がざらざらしている。ボロネーゼやカルボナーラ、クリームソースなど、濃厚ソースに最適。

代表的なブロンズダイスのパスタ↓

この記事では、テフロンダイスとブロンズダイスのパスタそれぞれに合ったパスタソースの種類や目的やシチュエーション毎の選び方のポイントについて解説していきます。

「パスタとソースの組み合わせに困っている」

「パスタをちゃんと茹でてるのにイマイチ美味しくならない」

といった方はぜひ参考にしてみてください。

テフロンダイスとブロンズダイスの違いとは?正しい使い分け方を徹底解説

記事の冒頭でパスタソースによってパスタを使い分ける基準について軽く解説しましたが、ここからはより具体的に、テフロンダイスとブロンズダイスに合うソースを紹介します。

テフロンダイスとブロンズダイスの違い

まず、テフロンダイスのパスタとブロンズダイスのパスタの違いについて簡単に表にまとめてみました。

テフロンダイスブロンズダイス
テフロン製青銅製
表面ツルツルザラザラ
食感ツルツルしてコシがあるモチモチで小麦感が感じられる
絡み具合

ただ、上の表は他のブログやYouTubeでも解説されているあくまで基本的な違いのみ。

ここからは更に細かく、パスタソースの種類や目的による選び方について解説していきます。

濃厚ソースにテフロンダイスのパスタを使っても良い

テフロンダイスのパスタで作ったカルボナーラ

テフロンダイスのパスタはオイルソースや冷製ソースなど、比較的軽めでさっぱりとしたソースに最適と言われています。

とはいえ、実際のところテフロンダイスのパスタに濃厚なカルボナーラと合わせてもめっちゃ美味しいです。

むしろ、テフロンダイスのパスタは茹でムラが少なくアルデンテを保ちやすいため、食感を楽しみたい人はクリームソースやチーズソース系でもテフロンパスタの方が好みに感じるかもしれません。

また、テフロンダイスのパスタは茹でムラが少ないので、大人数のパスタを作る時にもオススメです。

「大人数のパスタを作る時は盛り付けに時間がかかって麺がすぐ柔らかくなってしまう」なんてこともありますから。

そのため、大人数のパスタを作る時は「茹でムラが少ないテフロンダイスのパスタ」かつ「時間経過で食感が変わりづらい太めのパスタ」で作ると美味しく仕上がるでしょう。

“ワンパンパスタ”はテフロンダイスの細麺パスタで作ると失敗しづらい

フライパン1つでパスタを調理する通称“ワンパンパスタ”はブロンズダイスのパスタで調理するとスープに小麦粉が溶けすぎてソースが重くベタつく場合があります。

まず、ブロンズダイスのパスタは表面がザラついていて、茹でる際に小麦粉が溶けて流れ出しやすいです。

それに対してテフロンダイスのパスタは表面がツルツルとしているため、小麦粉が溶けづらく、ワンパンパスタで調理しても比較的軽めのソースに仕上がります。

また、細麺だと茹でる時間が少ない分スープに小麦粉が溶け出す量も少ないため、ブロンズダイスのパスタでも失敗しにくいです。

ワンパンパスタで失敗したくないなら、テフロンダイスかつすぐに茹で上がる細麺(1.4mmなど)のパスタがオススメ!

ただし、日本の代表的なテフロンダイスのパスタ「マ・マー」だとネバつきが気になったというコメントを見つけました。

そのため、ワンパンの場合はテフロンダイスの中でもバリラやディベッラなどのパスタで作ると良いかもしれません。

ブロンズダイスのパスタは基本どのソースにも合う

ブロンズダイスのパスタで作ったペペロンチーノ

ブロンズダイスの微細な凹凸が加工面にあることで、麺の表面がザラつきパスタとソースがよく絡み合い、ボロネーゼやカルボナーラ、クリームソースなど、重めのソースに最適と言われています。

ただし、ブロンズダイスの特徴はあくまで「モチモチとした食感」「小麦の風味が豊か」というところ。

したがって、チーズ系やクリーム系などの濃厚ソースはもちろんのこと、オイル系やさっぱりとしたトマト系のソースなど、基本的にどの種類のパスタソースでも合います。

モチモチとした食感と小麦の風味を楽しみたいならブロンズダイスのパスタを選べばOK!

ブロンズダイスの茹で加減はシビアで初心者には難しい

ブロンズダイスのパスタは表面がザラついているため、沸騰しすぎたお湯で茹でると風味が失われてしまったり、麺が擦れあって食感やソースの絡みが悪くなります。

また、ブロンズダイスのパスタは水分を吸いやすいため、茹で過ぎるとすぐに食感が変わってしまい、アルデンテを維持するための茹で加減を見極めるのが困難。

そのため、ブロンズダイスのパスタを茹でる際は90度ぐらいの熱湯が最適と言われています。

対してテフロンダイスのパスタは、表面がツルツルとしていて水分が吸収されにくく、ボコボコと沸騰させたお湯で茹でて麺同士が擦れて食感が落ちることも風味が飛ぶこともありません。

普段パスタを茹でない方や失敗したくない方はテフロンダイスのパスタがオススメ

パスタの茹で方については、プロの技術を交えながら下記記事で詳しく紹介しています。

お湯の温度、塩加減、茹で時間など、パスタは茹で方ひとつで仕上がりが全く異なるので、良かったら参考にしてみてください。

プロも愛用するテフロンダイス製法の代表的なパスタ

ここからはテフロンダイス製法のパスタをいくつか紹介していきます。

【イタリアシェアNo.1】バリラ

バリラは1877年エミリア・ロマーニャ州のパルマ中心街で創業されたイタリア最大級の食品会社で、イタリアシェアNo.1であり、世界シェアNo.1でもある超人気パスタ。

小規模なスーパーでも手に入りやすく、どこにでも売っているベーシックなテフロンダイス製法のパスタです。

テフロンダイスのパスタらしくツルツルとした食感とアルデンテ感が特徴で、表記通り茹でてもコシのある触感を楽しめます。

ペペロンチーノなどのオイル系パスタとの相性が良いです。

ただし、小麦の香りはかなり弱めなので、シンプルなソースだと人によっては物足りなさを感じるかもしれません。

その場合は、味が強めのクリーム系のパスタソースと絡ませるのもオススメ。

【ツルツルとした喉越しとサクッとした食感が最高】ブルネッラ

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ブルネッラはパスタの聖地とも呼ばれている南イタリアグラニャーノのパスタメーカー。

テフロンダイス特有のツルツルとした喉越しとサクッとした食感を楽しめます。

表面がツルっとしているため、オイル系やトマト系などのサラっとした軽めのパスタはもちろんのこと、アルデンテ感も長時間保ってくれるため、チーズ系やクリーム系などの濃厚パスタにも最適です。

スーパーで見かけたことはありませんが、カルディでは常時販売しています。

【アルデンテを保ちやすく、小麦感もしっかりめ】ディヴェッラ

ディヴェッラ
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ディベッラはイタリア南部のプーリア州バーリで116年の歴史を誇るイタリアンパスタのブランド。

ディヴェッラの特徴は他のテフロンダイスのパスタと比較してよりアルデンテを保ちやすいという点。

パスタを茹であげてソースと絡めてもパスタの食感が保たれるため、大人数のパスタを茹でて盛り付ける時に時間がかかってもアルデンテ感がしっかりと残っています。

表記時間通りに茹でてもアルデンテ感はちゃんと付くのでブレが少なく調理しやすいのもポイント。

ツルツルとした滑らかな食感も心地よく、オイルベースのパスタはもちろんのこと、明太子パスタなどの和風パスタや軽めのトマトソースにも相性バッチリ!

また、テフロンダイスの割には小麦感が強めなため、パスタ自体の味も結構楽しめるのも良いですね。

テフロンダイスのパスタで美味しく仕上げたいなら間違いなくディヴェッラ!だと個人的には思っています

プロも愛用するブロンズダイス製法の代表的なパスタ

ここからはブロンズダイス製法のパスタをいくつか紹介していきます。

【スーパーで手に入りやすいブロンズパスタ】ディ・チェコ

ディ・チェコは1886年にイタリア中部アブルッツォ地方の小さな町ファーラ・サン・マルティーノにおいて設立されたパスタブランドで、世界シェアは6位。

ブロンズダイスのパスタ特有の小麦の香りと旨味をしっかりと感じられるのが特徴。

クリーム系やチーズ系のパスタよりもトマト系のシンプルなソースに最適と言われています。

茹で時間がかなりシビアで、アルデンテ感を楽しみたい場合はかなり早めに茹で上げるのがコツです。

袋の表記通り茹でると結構柔らかくなってしまい、もちゃもちゃとした食感になるので注意してください

ちなみに、バリラの1.4mmは冷製パスタを作るとき完璧なモチモチ食感になって、カッペリーニでは負けてしまう濃厚な冷製ソースでも美味しく調理できます。

【モチモチとした食感が特徴的】ヴォイエッロ

ヴォイエッロは1879年カンパーニア州ナポリで創業したパスタメーカー。

幻のパスタと言われナポリの貴族の間で愛好されていて、他のブロンズダイス製法のパスタよりも強いモチモチとした食感を楽しめるのが特徴です。

麺自体の主張が結構強いため、重めのクリームソースやチーズソース、濃厚なトマト系(特にプッタネスカ)のパスタにオススメ。

後、ナポリとは全く関係ないのですが、ナポリタンも美味しく作れます。

逆に、軽めのソースだとソース側が負けてしまう場合があるので注意(もちろん好みの問題)。

【小麦の香りが最高】ガロファロ

ガロファロは1789年、パスタの聖地とも呼ばれている南イタリアグラニャーノで創業したパスタメーカー。

参宮橋にあるイタリアンの超人気店Regalo(レガーロ)のオーナーである小倉知巳シェフが愛用していいて、シェフのYouTubeでもよく紹介されています。

小倉知巳のイタリアンプロ養成講座

アルデンテ感も程よく残り、小麦感もしっかりと感じられて非常にバランスの良いパスタです。

シンプルなオイルベースと合わせてパスタの小麦感を楽しむのが個人的にベストだと思っていますが、トマトソースやクリームソースなど、基本的にどのパスタソースにも合います。

ただし、茹で時間が結構シビアなため、初めてガロファロを使う時は適度に味見をして、自分の好みより気持ち硬めの時に茹であげるのがコツです。

1.7mmであればアルデンテの持続時間も長いので、大量調理にも向いています

小さいスーパーではあまり見かけませんが、イオンやコストコなどの大きめのショッピングセンターで売っていることが多いです。

【高級感ある小麦の香りが楽しめる】デルヴェルデ

デルヴェルデは1967年にブルッツオ地方のファーラ・サン・マルティーノで創業したイタリアの高級パスタメーカー。

比較的歴史の浅い企業ではありますが、ヴェルデの天然水、最高級デュラム小麦、低温乾燥ブロンズダイスが作るアブルッツオ地方の伝統的なパスタは高く評価されています。

ブロンズダイスのパスタでありながら、ディヴェッラ並のアルデンテ感とガロファロ以上に香りがよく、袋を空けた時の小麦の香りが最高です。

パスタもブロンズダイスの割には伸びにくく、アルデンテの状態も維持しやすいのもポイント。

小麦の香りを楽しみたいため、シンプルなソースと和えるのがオススメです。

【本場イタリアンシェフも愛用する最高級パスタ】マンチーニ

マンチーニ
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マンチーニはイタリアマルケ州にある比較的小規模のパスタメーカーで、本場イタリアのシェフが愛する高級パスタブランド。

値段は市販されてるパスタの3倍くらいで、原料のデュラム小麦の生産からパスタ製造まで一貫してやっているとのことで、とことん素材にこだわり抜いている。

小麦の香りをもちろんのこと、他のパスタとはちょっと違った特別な味(小麦の甘み?)がするんですよね。

そのため、茹でてオリーブオイルをそのままかけるだけでも美味しく仕上がります。

スーパーではほとんど見かけませんが、1度は体験してもらいたいパスタです

自分の好みに合っやパスタを選ぼう!

ということで、テフロンダイスとブロンズダイスのパスタ、それぞれに合うパスタソースの種類や目的による選び方については以上になります。

結局のところテフロンダイスとブロンズダイスでパスタソースを選ぶっていうよりまずは「自分の好みに合ってるかどうか」で判断するのがオススメです。 v

ツルツルとした食感と滑らかな舌触りが好きならテフロン、モチモチとした食感と小麦の香りを楽しみたいならブロンズ。

ソースの絡み云々よりもまずは自分の好みを優先して問題ありません。

後は、パスタメーカーによってパスタソースを使い分けたり、シチュエーションによって使い分けるのも良いですね。

例をあげるとこんな感じ。

・安くて美味しくパスタを仕上げたいなら近所のスーパーで安く手に入りやすい「バリラ」や「ディ・チェコ」

・大人数のパスタを調理するならアルデンテ感を保ちやすい「ディヴェッラ」

・1人でリッチなパスタを楽しみたいなら高級な小麦の香りを楽しめる「デルヴェルデ」や「マンチーニ」

テフロンダイスとブロンズダイスのパスタを使い分けることで、パスタをより美味しく仕上げましょう!