テフロンダイスとブロンズダイスの違いと使い分け

パスタの製法にはテフロンダイスとブロンズダイスの2種類が存在します。

それぞれの特徴は以下の通りです。

テフロンダイス:テフロン加工の型を用いる製法で、麺の表面がツルツルしている。オイルソースや冷製ソースなど、比較的軽めでさっぱりとしたソースに最適。

代表的なテフロンダイスのパスタ▼

ブロンズダイス:青銅製の型を用いる製法で、麺の表面がざらざらしている。ボロネーゼやカルボナーラ、クリームソースなど、濃厚ソースに最適。

代表的なブロンズダイスのパスタ▼

とまぁここらへんはネットで調べればすぐ出てくるかと。

ですが、この記事ではテフロンダイスとブロンズダイスのパスタについて、更に深堀りして詳しく解説していきます。

例えば、それぞれに合ったパスタソースの種類や、目的・シチュエーション毎の選び方など。

他では書かれていないパスタの選び方について、プロのシェフの解説動画や、自分の経験をもとにまとめてみました。

「パスタとソースの組み合わせに困っている」

「パスタをちゃんと茹でてるのにイマイチ美味しくならない」

といった方はぜひ参考にしてみてください。

テフロンダイスとブロンズダイスの違い

まずは、テフロンダイスとブロンズダイスの違いについて解説していきます。

テフロンダイスとブロンズダイスの違い

まず、テフロンダイスのパスタとブロンズダイスのパスタの違いについて、簡単に表にまとめてみました。

テフロンダイスブロンズダイス
テフロン製青銅製
表面ツルツルザラザラ
食感ツルツルしてコシがあるモチモチで小麦感が感じられる
絡み具合

ただ、上の表は他のブログやYouTubeでも解説されているあくまで基本的な違いのみ。

ここからは、実際にパスタソースの種類や目的による選び方について、更に深堀りして「どのようなソースに最適なのか?」詳しく解説していきます。

テフロンダイスとブロンズダイスの使い分け

テフロンダイスとブロンズダイスの使い分けについて、それぞれの製法の特徴を踏まえたうえで解説していきます。

テフロンダイスのパスタはオイルベースや和風パスタに最適

テフロンダイスのパスタで作った納豆の冷製パスタ

テフロンダイスのパスタはオイルソースや冷製ソースなど、比較的軽めでさっぱりとしたソースに最適です。

特に、日本人はラーメンやうどん、そばのようなツルツルとした食感に慣れていますから。

明太子や納豆などの和風パスタにもテフロンダイスのパスタとも相性バツグン。

そのため、オイルソースや冷製ソース、和風パスタを作る場合、テフロンダイスのパスタを使えば間違いありません。

濃厚ソースにテフロンダイスのパスタを使っても良い

テフロンダイスのパスタで作ったカルボナーラ

テフロンダイスのパスタはオイル系や和風パスタに最適と言われています。

ですが、実際のところテフロンダイスのパスタに濃厚なカルボナーラと合わせても全く問題ありません。

テフロンダイスのパスタは、茹でムラが少なくアルデンテを保ちやすいですから。

むしろ、パスタの食感を楽しみたい人であれば、カルボナーラであっても、テフロンダイスのパスタの方が好みに感じるかもしれません。

また、テフロンダイスのパスタは茹でムラが少ないので、大人数のパスタを作る時にもオススメ。

実際、「大人数のパスタを作る時は盛り付けに時間がかかって麺がすぐ柔らかくなってしまう」なんてことも全然ありますから。

そのため、大人数のパスタを作る時は、クリーム系やチーズ系のパスタであっても、

「茹でムラが少ないテフロンダイスのパスタ」

「時間経過で食感が変わりづらい太めのパスタ」

以上の要件を満たすパスタを使えば、より美味しく仕上がるでしょう。

スパゲッティにこだわらず、ペンネやマカロニなどの食感の持続時間が長いショートパスタも選択肢としてアリ

ちなみに、大人数のパスタを作る秘訣については、下記記事でも詳しく紹介しています。

「家族団らんの食卓」「友人たちとのパーティー」などで料理を振る舞う機会のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

“ワンパンパスタ”はテフロンダイスの細麺パスタで美味しく作れる

“ワンパン”で作るカルボナーラの調理工程

フライパン1つでパスタを調理する通称“ワンパンパスタ”は、テフロンダイスで茹で時間の少ない細いパスタで作るのがオススメ。

まず、テフロンダイスのパスタは表面がツルツルとしており、小麦粉が溶けづらく、ワンパンパスタで調理しても失敗しづらいです。

それに対して、ブロンズダイスのパスタだと、パスタの表面にザラつきがあるせいで、茹でる際に小麦粉が溶けて流れ出しやすくなっています。

スープに小麦粉が溶けすぎると、ソースが重くベタつき、美味しく仕上げるのが難しいです。

麺の太さについても、細麺であれば茹でる時間が短い分、茹で汁に小麦粉が溶け出す量も少ないため、小麦粉によるベタつきを防げます。

ワンパンパスタで失敗したくないなら、テフロンダイスかつすぐに茹で上がる細麺(1.4~1.6mmなど)のパスタがオススメ!

ブロンズダイスのパスタは基本どのソースにも合う

ブロンズダイスのパスタで作ったペペロンチーノ

ブロンズダイスのパスタは、風味豊かでモチモチとした食感が特徴的。

また、パスタ表面にザラつきがあるおかげで、ソースとよく絡み合います。

ボロネーゼやカルボナーラ、クリームソースなど、こってりとしたソースに最適です。

ただ、ブロンズダイスの特徴はあくまで「モチモチとした食感」「小麦の風味が豊か」という点。

したがって、チーズ系やクリーム系などの濃厚ソースはもちろんのこと、オイル系やさっぱりとしたトマト系のソースなど、基本的にどの種類のパスタソースでも合います。

モチモチとした食感と小麦の風味を楽しみたいならブロンズダイスのパスタを選べばOK!

ブロンズダイスのパスタは、茹で加減がシビアで初心者には難しい

ブロンズダイスのパスタは表面がザラついています。

そのため、沸騰しすぎたお湯で茹でると風味が失われてしまったり、麺が擦れあって食感やソースの絡みが悪くなっることも。

また、ブロンズダイスのパスタは水分を吸いやすく、茹で過ぎるとすぐ食感が変化します。

アルデンテを維持するための茹で加減を見極めるのも、料理初心者にとっては難しいかもしれません。

実際、パスタの袋の表記通りにブロンズダイスのパスタを茹でたり、ちょっと茹でる時間が長すぎてしまうと、コシの無いもちゃっとした食感になってしまいます。

対してテフロンダイスのパスタは、表面がツルツルとしていて水分が吸収されにくく、ボコボコと沸騰させたお湯で茹でて麺同士が擦れて食感が落ちることも風味が飛ぶこともありません。

茹で時間もそこまでシビアではなく、基本的に表記通り茹でていれば基本美味しく仕上がります。

「普段パスタを茹でない」「失敗したくない」という方は、テフロンダイスのパスタがオススメ

パスタの茹で方については、プロの技術を交えながら下記記事で詳しく解説しています。

「お湯の温度」「塩加減」「茹で時間」など。

パスタは茹で方ひとつで仕上がりが全く異なるので「美味しくパスタを茹でたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

プロも愛用するテフロンダイス製法の代表的なパスタ

ここからはテフロンダイス製法のパスタをいくつか紹介していきます。

【イタリアシェアNo.1】バリラ

バリラは1877年エミリア・ロマーニャ州のパルマ中心街で創業されたイタリア最大級の食品会社で、イタリアシェアNo.1であり、世界シェアNo.1でもある超人気パスタ。

小規模なスーパーでも手に入りやすく、どこにでも売っているベーシックなテフロンダイス製法のパスタです。

テフロンダイスのパスタらしくツルツルとした食感とアルデンテ感が特徴で、表記通り茹でてもコシのある触感を楽しめます。

ペペロンチーノなどのオイル系パスタや、和風パスタとの相性が最高です。

私もペペロンチーノや和風パスタを作る時は1.4mmや1.6mmのバリラのパスタを愛用しています。

ただし、小麦の香りはかなり弱めなので、シンプルなソースだと人によっては物足りなさを感じるかもしれません。

その場合は、味が強めのクリーム系のパスタソースと絡ませるのもオススメ。

【ツルツルとした喉越しとサクッとした食感が最高】ブルネッラ

Brunella(ブルネッラ)
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ブルネッラはパスタの聖地とも呼ばれている南イタリアグラニャーノのパスタメーカー。

テフロンダイス特有のツルツルとした喉越しとサクッとした食感を楽しめます。

表面がツルっとしているため、オイル系やトマト系などのサラっとした軽めのパスタはもちろんのこと、アルデンテ感も長時間保ってくれるため、チーズ系やクリーム系などの濃厚パスタにも最適です。

スーパーで見かけたことはありませんが、カルディでは常時販売しています。

【アルデンテを保ちやすく、小麦感もしっかりめ】ディヴェッラ

ディヴェッラ
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ディベッラはイタリア南部のプーリア州バーリで100年以上の歴史を誇るイタリアンパスタのブランド。

ディヴェッラの特徴は他のテフロンダイスのパスタと比較してよりアルデンテを保ちやすいという点。

パスタを茹であげてソースと絡めてもパスタの食感が保たれるため、大人数のパスタを茹でて盛り付ける時に時間がかかってもアルデンテ感がしっかりと残っています。

表記時間通りに茹でてもアルデンテ感はちゃんと付くのでブレが少なく調理しやすいのもポイント。

ツルツルとした滑らかな食感も心地よく、オイルベースのパスタはもちろんのこと、明太子パスタなどの和風パスタや軽めのトマトソースにも相性バッチリ!

また、テフロンダイスの割には小麦感が強めなため、パスタ自体の味も結構楽しめるのも良いですね。

テフロンダイスのパスタで美味しく仕上げたいなら間違いなくディヴェッラ!だと個人的には思っています

プロも愛用するブロンズダイス製法の代表的なパスタ

ここからはブロンズダイス製法のパスタをいくつか紹介していきます。

【スーパーで手に入りやすいブロンズパスタ】ディ・チェコ

ディ・チェコは1886年にイタリア中部アブルッツォ地方の小さな町ファーラ・サン・マルティーノにおいて設立されたパスタブランドで、世界シェアは6位。

ブロンズダイスのパスタ特有の小麦の香りと旨味をしっかりと感じられるのが特徴。

クリーム系やチーズ系のパスタよりもトマト系のシンプルなソースに最適と言われています。

茹で時間がかなりシビアで、アルデンテ感を楽しみたい場合はかなり早めに茹で上げるのがコツです。

個人的にディ・チェコの1.4mmのパスタはオイルベースであれば5分茹で、冷製パスタであれば7分で茹でるのがベスト。

袋の表記通り茹でると結構柔らかくなってしまい、もちゃもちゃとした食感になるので注意してください

ちなみに、バリラの1.4mmは冷製パスタを作るとき完璧なモチモチ食感になって、カッペリーニでは負けてしまう濃厚な冷製ソースでも美味しく調理できます。

【モチモチとした食感が特徴的】ヴォイエッロ

ヴォイエッロは1879年カンパーニア州ナポリで創業したパスタメーカー。

幻のパスタと言われナポリの貴族の間で愛好されていて、他のブロンズダイス製法のパスタよりも強いモチモチとした食感を楽しめるのが特徴です。

麺自体の主張が結構強いため、重めのクリームソースやチーズソース、濃厚なトマト系(特にプッタネスカ)のパスタにオススメ。

後、ナポリとは全く関係ないのですが、ナポリタンも美味しく作れます。

逆に、軽めのソースだとソース側が負けてしまう場合があるので注意(もちろん好みの問題)。

【小麦の香りが最高】ガロファロ

ガロファロは1789年、パスタの聖地とも呼ばれている南イタリアグラニャーノで創業したパスタメーカー。

参宮橋にあるイタリアンの超人気店Regalo(レガーロ)のオーナーである小倉知巳シェフが愛用しているメーカーで、シェフのYouTubeでもよく登場しています。

小倉知巳のイタリアンプロ養成講座

アルデンテ感も程よく残り、小麦感もしっかりと感じられて非常にバランスの良いパスタです。

シンプルなオイルベースと合わせてパスタの小麦感を楽しむのが個人的にベストだと思っていますが、トマトソースやクリームソースなど、基本的にどのパスタソースにも合います。

ただし、1.5mmの場合は茹で時間が結構シビアなため、初めてガロファロを使う時は適度に味見をして、自分の好みより気持ち硬めの時に茹であげるのがコツです。

1.7mmであればアルデンテの持続時間も長いので、大量調理にも向いています

小さいスーパーではあまり見かけませんが、イオンやコストコなどの大きめのショッピングセンターであれば売っているかもしれません。

【本場イタリアンシェフも愛用する最高級パスタ】マンチーニ

マンチーニ
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マンチーニはイタリアマルケ州にある比較的小規模のパスタメーカーで、本場イタリアのシェフが愛する高級パスタブランド。

値段は市販されてるパスタの約3倍。

原料のデュラム小麦の生産からパスタ製造まで一貫してやっているとのことで、とことん素材にこだわり抜いているとのこと。

小麦の香りをもちろんのこと、他のパスタとはちょっと違った特別な味(小麦の甘み?)がするんですよね。

そのため、茹でてオリーブオイルをそのままかけるだけでも美味しく仕上がります。

スーパーではほとんど見かけませんが、1度は体験してもらいたいパスタです

ちなみに、私はAmazonで1.8や2.2mmといった太めのスパゲッティや、日本のスーパーでは見かけないちょっと特殊なパスタ(メッツェマニケやキタッラなど)を購入しています。

まぁ値段が高いのでたまにしか買いませんが・・・

といった感じで、プロも愛用するテフロンダイスとブロンズダイスのパスタを色々紹介してきました。

もちろん上記で紹介したパスタメーカー以外にも色々あるので、「他のパスタメーカーにも興味がある」という方は、下記記事も合わせて参考にしてみてください。

自分の好みに合っやパスタを選ぼう!

ということで、テフロンダイスとブロンズダイスのパスタ、それぞれに合うパスタソースの種類や目的による選び方については以上になります。

結局のところテフロンダイスとブロンズダイスでパスタソースを選ぶっていうより、まずは「自分の好みに合ってるかどうか」で判断しましょう。

やはり、ソースの絡み云々よりも大前提として自分が美味しいと思えなければ全く意味がありません。

選び方としては、

・ツルツルとした食感と滑らかな舌触りが好きならテフロン。

・モチモチとした食感と小麦の香りを楽しみたいならブロンズ。

ざっくりこんな感じで問題ないでしょう。

後は、パスタメーカーによってパスタソースを使い分けたり、シチュエーションによって使い分けるのも良いですね。

例をあげるとこんな感じ。

・安くて美味しくパスタを仕上げたいなら、近所のスーパーで安く手に入りやすい「バリラ」や「ディ・チェコ」。

・大人数のパスタを調理するなら、アルデンテ感を保ちやすい「ディヴェッラ」。

・1人でリッチなパスタを楽しみたいなら、高級な小麦の香りを楽しめる「マンチーニ」。

私を含め、料理を作るうえであまり考えずに食材を選ぶ方って結構多いと思います。

今回のパスタの選び方に限っては、取り敢えず適当に安いヤツを買ったり、いつもと同じヤツばかり選んでしまったりとか。

ですが、このように色々シチュエーションなど色々考えて食材を選ぶと、美味しい料理に仕上がります。

なので、ぜひこの機会に「自分が食べたい」ないしは「振る舞いたい」と思った料理を作ってみてください。

テフロンダイスとブロンズダイスのパスタを使い分けけて、パスタをより美味しく仕上げましょう!

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