
夏といえばやっぱり冷製パスタ!
ひんやりつるっとした口当たりと爽やかな味わいは、暑さを吹き飛ばしてくれる最高の一皿です。
ただ、実際に作ってみると
「麺の食感がイマイチ」
「ソースの旨味が足りない」
「味がぼやけてしまう」
といった失敗も少なくありません。
そこでこの記事では、麺のゆで加減から冷やし方、冷製パスタを調理する際の考え方など、家庭で簡単に実践できるポイントを筆者のライザーが詳しく解説していきます。
また、ここで紹介する手法の一部は一流のプロのシェフの動画を参考にしているので、きっと役立つはずです。
基本を押さえれば、材料も手順もシンプルなのにレストラン級の味わいに仕上がるので、ぜひ最後まで読んでください!
冷製パスタを美味しく調理するための食材選び
調理方法を紹介する前に、まずは食材選びから始めましょう。
パスタは0.9~1.4mmの細麺が望ましいが、お好みでOK

冷製パスタを作る際の麺の太さは0.9~1.4mmの細麺がオススメ。
軽めのソースなら0.9~1.2mm、濃度が強めで味も強めのソースなら1.4mmと使い分けるのが良いでしょう。
とはいえ、必ずしも細麺である必要はなく、1.6mmでも1.8mmでも十分美味しい冷製パスタは作れるので安心してください。
実際ニップンの公式サイトでは、太さ1.7mmのパスタを使った冷製パスタのレシピを掲載してますから。
要は「麺の太さの選び方はお好みで大丈夫」ってことです。
ツルツル食感ならテフロン・モチモチ食感ならブロンズダイスのパスタを選ぶ

パスタには大きく分けて2種類あります。
表面がツルツルとしているテフロンダイスのパスタ。
表面がザラザラとしているブロンズダイスのパスタ。
この辺は完全に好みの問題なので、自分の好みに合ったパスタを選んでみてください。
ソース作るのが面倒ならレトルトもアリ

パスタソースを作るのが面倒という方は、加熱しなくても食べられる市販のレトルトソースがオススメ。
ちゃんとパスタを茹でてキンキンに水で締めてから絡めれば美味しく調理できます。

ただし、レトルトのパスタソースを使う場合に限り、なるべく動物系未使用の製品が望ましいです。
バターやチーズなら問題ありませんが、例えばボロネーゼやミートソースだと、豚の油が冷えて固まってベタベタとした食感になりますから。
個人的に冷製パスタで使うなら以下のレトルトソースがオススメです。
- トマトソース
- ペペロンチーノソース
- ジェノベーゼソース
- 和風(特にたらこ・納豆がオススメ)
まぁ基本的にどのパスタソースでも冷たくして美味しく食べられますね。
ただ、カルボナーラソースは動物系も結構含まれているので、冷製パスタ用に自作するのがオススメ。
和風パスタはジャンルが広すぎて一概には言えませんが、動物系の油を使っていなければ何でも合うと思います。
少なくとも動物系未使用のトマトソースとジェノベーゼソースは、冷製パスタとの相性が最高でした!
冷製パスタを美味しく調理する方法
ここからは調理方法について解説していきます。
お皿とフォークは冷凍庫でキンキンに冷やす

パスタを盛り付けるお皿は、事前に冷凍庫でキンキンに冷やしておきましょう!
そうすれば、暑い夏場でも冷たさの持続時間が長くなります。
ラーメン屋がスープが冷めないように丼を熱湯で温めるのと同じ考え方ですね
ついでにフォークも冷やしておくと、口当たりがひんやりして、より美味しく感じます。
ちなみにお皿を冷やす手法は、冷たいうどんやそうめんを作る時にも役立つので、ぜひ実践してみてください!
ソースを加熱しない場合は美味しいオリーブオイルを使う

ソースを加熱しない場合、オリーブオイルの味がダイレクトに関わってくるので、冷製パスタの味を大きく左右します。
特に香りの弱いブレンドオイルや、オリーブポマースオイルだと味気ない「ただ単にオイル味だな」ってなりやすいです。
そのため、ソースを加熱しない場合は、なるべく香り高い美味しいオリーブオイルを使うことをオススメします。
美味しいオリーブオイルについては、下記記事で詳しく紹介しているので、もしオリーブオイルの選び方とか分からなければ、ぜひ参考にしてみてください。
パスタソースは事前に作って冷やしておく

細麺のパスタは茹で時間が短いので、その間にパスタソースをしっかり冷やすのは難しいです。
なので、パスタソースはある程度事前に作っておいて、冷凍庫で10~20分程度冷やしておくと良いでしょう。
ただし塩分が入っているとはいえ、冷凍庫に30分以上入れると水分が凍ったり油が固まったりするので、冷やし過ぎには注意!
また、調理方法によっては熱々のパスタソースと麺を先に絡めて、後から冷やす調理方法もあります。
その場合は、事前に大きいボウルに氷を張って、その上に一回り~二回り小さいボウルを用意。
次に、小さいボウルにソースと合わせたパスタを入れて冷やしましょう。
調理方法は千差万別、まずはレシピ通りに調理しよう!
パスタ湯の塩分濃度は1.5%前後

プロのシェフによってマチマチですが、取り敢えず塩分濃度1.5%程度のパスタ湯でパスタを茹でればOK。
普通にパスタを茹でる時の塩分濃度が1%なので、それよりも強めって感じですね。
まぁ塩分濃度はソースの濃度(塩分)に合わせて前後するため、あくまでも目安として覚えておいてください。
パスタは気持ち長めに茹でる

パスタは水で締めるとコシが強くなるので、表記よりも長めに茹でます。
・1.2mmのカッペリーニだと茹で時間が2分くらいなので、倍の4分。
・1.4mmのフェデリーニだと茹で時間が6分くらいなので、プラス1分長めに茹でればOK。
取り敢えず、上記茹で時間にしておけば失敗することは無いでしょう。
パスタを氷水で締める

パスタが茹で上がったら、まずは普通の水道水(浄水)で洗い流しましょう。
茹で上がったパスタはアツアツの状態なので、最初から氷水で冷やすと、氷水がぬるくなってしまいますから。
必ず普通の水である程度粗熱を取ってから、氷水で締めてください。

で、流水でパスタを洗い流すとパスタ側の塩分が薄くなるので、必ず塩分濃度1.5%程度の氷水で締めます(塩気の強いソースであれば1%でも可)。
パスタが手でずっと触れなくなるくらい冷たくなったら、氷水から引き上げましょう。
パスタの水分を徹底的に絞り出す!

味がぼやける最大の原因はパスタの水分です。
水で締めた後のパスタは、スポンジのようにめちゃくちゃ水分を多く含んでいます。
温かいパスタならソースと絡めていくうちに水分が蒸発して煮詰まりますが、冷製パスタだとそうはいきません。
なので、パスタの水分を無くすために、こんな感じでギュッとして水分を絞り出しましょう。

そして更にひと手間、ザルで絞ったパスタから完全に水分を拭き取るために、キッチンペーパーやキレイな布を使うとより効果的です。

しっかり水分を搾り取った後でも、こんな感じでキッチンペーパーがビショビショになるくらいパスタに水分が含まれています。

味がぼやけるのが気になるなら、徹底して水分を取り除こう!
丁寧に優しくパスタソースと混ぜ合わせる

細麺のパスタは力強くかき混ぜると、ブチブチちぎるくらい華奢です。
そのため、パスタとソースと合わせる時は、なるべく優しくかき混ぜるようにしてください。
パスタの小麦のデンプン質を出すようなイメージでかき混ぜよう!(俗に言う乳化)
最後にキンキンに冷やしたお皿に盛り付けて完成です。

もちろん、冷製パスタであっても粉チーズとの相性はバッチリ!
画像は0.9mmのパスタで作った「トマトとツナの冷製カッペリーニ」。

しっかり冷えてて、パスタの水分も徹底して絞ったので味もぼやけていません。
最高に美味しいです!
トマトとツナの冷製パスタの参考になるレシピ▼
冷製パスタに最適なカッペリーニ・フェデリーニ3選
ここからは、私も実際に使っているパスタをいくつか紹介していきます。
【イタリアシェアNo.1】バリラ カッペリーニ 1.15mm
バリラは1877年エミリア・ロマーニャ州のパルマ中心街で創業されたイタリア最大級の食品会社。
イタリアシェアNo.1であり、世界シェアNo.1でもある超人気パスタ。
現地では冷製パスタはあまり食べられないと言われていますが、1番無難なテフロンダイスのカッペリーニと言えるでしょう。
ツルツルとコシのある食感を楽しめます。
ただ、バリラ自体は置いてあるスーパーが多いものの、カッペリーニはあまり見たことがありません。
まぁちょっと太めの1.4mmのパスタでも良いのですが、テフロンダイスの1.4mmだとちょっと食感強めなので注意。
【スーパーで手に入りやすい】ディ・チェコ No.9 カッペリーニ 0.9mm

フェデリーニもオススメ▼

ディ・チェコは日本のスーパーでもよく売られているパスタメーカーです。
このブロンズダイスのカッペリーニは0.9mmとそうめん並に細く、何ならそうめんの代用品としても使えます。
麺の太さは揖保乃糸の上級(赤帯のヤツ)と同じくらい
実際にめんつゆで食べたことがありますが、普通に美味しかったです。
テフロンダイスのパスタと比較するとコシはそこまで強くなく、それこそそうめんのような食感なので、日本人好みのカッペリーニだと思いました。
手に入りやすさと美味しさを考慮すると、個人的に1番オススメのカッペリーニ。
【小麦の香りが心地よい】マンチーニ カペッリーニ・ブロンズ 1.2mm

マンチーニはイタリアマルケ州にある比較的小規模のパスタメーカーで、本場イタリアのシェフが愛する高級パスタブランド。
細麺は小麦の香りが感じづらいのですが、マンチーニのカッペリーニは値段のことも相まって小麦の香り強め。
ちょっと贅沢な冷製パスタが食べたいならマンチーニがオススメ!
後、ソースを作るなら濃度ガッツリで主張させるよりかは、味付け最低限で超シンプルにするのが良いですね。
それこそ、オリーブオイルとミニトマトでちょっと和えるくらいとか。
そのくらいの方がマンチーニのパスタが活きると思います。
冷製パスタのオススメレシピ
カッペリーニやフェデリーニを使った冷製パスタのレシピをいくつか紹介します。
一部の調理方法はプロのレシピを参考にしたのでめっちゃ美味しいです。
【混ぜるだけ】冷製ジェノベーゼパスタ

ただジェノベーゼソースを混ぜるだけ。
画像の冷製パスタは具材は少量のオリーブオイルで焼いたナスとバジルのみ。
ジェノベーゼソースは単体で完成されているので、レトルトや瓶詰め、自作したものをそのまま和えるだけで良いのでめちゃくちゃカンタン。
レシピとは言えませんが、味も普通に美味しいのでオススメです。
冷製カルボナーラ

玉子のコクがダイレクトに感じられる冷製パスタ。
材料費はちょい高めだが、それに見合う美味しさがあります。
和風出汁の効いた冷製たらこパスタ

シンプルながら美味しい和風たらこパスタ。
手軽に作れてオススメ。